学生に伝えた「社会保険労務士」という仕事の魅力

先日、立正大学経営学部の「経営総合特論講座」でお話しさせていただく機会がありました。この講座は、毎回異なる業種の経営者が登壇し、自社の「経営理念」や「事業内容」「強み」などを学生に直接伝えるという特別な授業です。

大学側から私に与えられたテーマは、次の2つでした:

  • 自身の実体験に基づいた成功談・失敗談と、そこから得た学び
  • 経営者としての人生経験の中で、特に学生に伝えたいこと

「独立して約5年の自分だからこそ、学生に何を伝えられるのだろう?」と自問しながら、自分自身のこれまでの歩みを振り返る貴重な機会となりました。

学生たちの反応

昨年秋には3年生向けのプレ講義を行い、驚くほど多くのフィードバックをもらいました。
「もっと全体を見渡して語りかけた方がよい」「スライドに写真を増やすとイメージしやすくなる」など、忖度のない率直な意見ばかり。そして何より、30人ほどのゼミ生のほとんどが質問の手を挙げてくれたのです。

正直、私は「最近の学生はおとなしい」と思い込んでいました。
しかし、担当教授から「授業で必ず質問するよう指導しています」と聞いて、学生の意識の高さに感動しました。

彼らがこれから社会に出るとき、安心して会話ができる職場であってほしい・・・そんな思いも芽生えました。

一方で、少しショックを受けた場面も。
「アルバイトをしていて、働くことが楽しいと感じたことがある人?」と尋ねたところ、手を挙げた学生はひとりもいなかったのです。

私は「働くことは楽しいし、自分を成長させてくれるもの」だと実感してきました。
だからこそ、「社会保険労務士」という仕事を通して、「働くことの楽しさ」も伝えたいと思いました。

講義の内容は…

講義タイトルは『女性社会保険労務士の経営戦略』。
本講義は2年生が対象です。 100人近い学生の中で、「社会保険労務士」を知っている人は、わずか3人ほどでした。

社労士は全国に約45,000人。男女比は2:1、平均年齢は56歳と、業界としてはやや年齢層が高めです。
具体例を交えながら、社労士の仕事や私の実体験をお話ししました。

経営戦略というと大げさですが、私なりの「仕事との向き合い方」を振り返ってみました。

  • 起業初期に「まず300人の経営者と話そう」と決めて経営者交流会にも積極的に参加したこと
  • 苦手だった人前での話し方を克服するために、ボイストレーニングに通ったこと
  • ライブ配信やセミナーを通じてクライアントが増えていった成長期
  • タイムマネジメントの壁に直面し、スタッフと力を合わせて乗り越えてきたこと
  • 経営者交流会に参加する側だったのが、昨年は主催する側にもなれたこと

現在は、労務相談、就業規則の作成、人事制度の構築、労務監査、研修などに特化した事業を展開できるまでになったこと。

学生たちに伝えたこと

最後に、学生たちには「目の前のことを一生懸命やる」というシンプルなメッセージを贈りました。

起業なんて、20代の頃は想像すらしていませんでしたし、大学の講義に登壇する日が来るとも思っていませんでした。
でも、目の前のことに真剣に向き合ってきたことで、道が開けてきた。今回の講義を通じて、あらためてそれを実感しました。

「社会に希望を持てない」と言う若者も多いと聞きます。
だからこそ、私は学生たちに「あなたたちは、これからたくさんの可能性に満ちているんだよ!」というメッセージを届けたかったのです。

担当教授からは「これまでの授業の中でも、特に質問が多かった」とのお言葉もいただきました。
私自身、学生たちからたくさんの元気と希望をもらいました。そして、これからも“希望を持てる会社”を増やしていきたいと、あらためて感じた時間でした。

この記事を書いた人

菊池麻由子

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