【労務管理情報】2026年7月より障害者の法定雇用率が「2.7%」へ引上げ!初めてでもわかる算定ルールと実務のポイント

今月も、2026年6月号のネクステップメルマガより、経営者・人事担当者の皆様が今押さえておくべき注目記事をピックアップしてお届けします!

障害者雇用のルールが変わります

企業等には従業員に占める障害者の割合を法定雇用率以上にする義務があります。現在、民間企業の法定雇用率は2.5%ですが、2026年7月より「2.7%」に引き上げられます。
今回の改定に伴い、対象企業の基準も下がり、「常時雇用する労働者が38人以上」の企業に障害者を最低1人以上雇用する義務が発生します。まずは自社の正しい従業員数のカウント方法を確認しておきましょう。

自社の「対象人数」はどう数える?法定雇用人数の計算方法

法定雇用人数は、会社全体の「常時雇用する労働者の数」で判断します。週所定労働時間が20時間以上で、1年を超えて雇用される人(見込み含む)が対象です。

人数のカウント方法

  • 週所定労働時間が30時間以上の労働者:1人
  • 週20時間以上30時間未満の労働者:0.5人

補足事例

自社が義務化対象(38人以上)かチェック!
正社員:30人(30人 × 1 = 30人)
パート(週30時間以上):5人(5人 × 1 = 5人)
パート(週20時間〜30時間未満):8人(8人 × 0.5 = 4人)
合計:39人(30人+5人+4人) 39人に新雇用率2.7%を乗じると1.053となるため、障害者を最低1人雇用する義務が生じます。

【重要】お役所の調査で発覚!有期契約パートの「計上漏れ」に要注意

障害者雇用納付金の申告等の実務で、最もミスが起きやすいのがこの「労働者総数のカウント」です。 以下のパターンに該当する有期契約社員がいないか、必ず自社の契約状況を総点検してください。

計上漏れが起きやすい具体例

  1. 「更新する場合がある」と契約書に明示されている場合
    1か月や3か月等の短期契約であっても、契約書に「更新する場合がある」とあれば、原則「1年を超えて雇用される見込みがある者」として毎月のカウントに含めます。※1年を超えて雇用されないことが明らかな場合は除きます。
  2. 契約書に更新の明示はないが、実態として長期雇用されている場合
    契約書に記載がなくても、同じ職種等で雇用されている他の労働者が1年を超えて引き続き雇用されている等の実態にある場合は、カウント対象に含める必要があります。
  3. 1年超を見込んで雇ったが、契約中途で退職した場合
    当初の契約時点で1年超の雇用が見込まれていたのであれば、中途退職した場合であっても、雇用された日から退職の日までの間は、常用雇用労働者として毎月の計上が必要です。

雇い入れた障害者数のカウント方法

雇用が必要な障害者の数は、障害の種別(身体・知的・精神)や、その方の週所定労働時間数によってカウント方法が異なります。

週所定労働時間
の区分による
人数のカウント数
(単位:人)
障害者の種別30時間以上20時間以上
30時間未満
10時間以上
20時間未満
身体障害者10.5対象外
(重度)210.5(※)
知的障害者10.5対象外
(重度)210.5(※)
精神障害者110.5(※)

【当分の間の措置】週所定労働時間が10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者は、0.5としてカウント可能です。

【経営参謀社労士の視点】実務を円滑に進める2つのアドバイス

  • 「休職中」のカウント規定を正しく理解する
    雇用している障害者の方が、就業規則等に基づく休職制度により休職している場合、休職発令通知書等により客観的に確認できる場合に限り、実労働時間がなくてもカウントに含めることができます。実務上、安易に除外して法定雇用率を割り込まないよう書類を整備しておきましょう。
  • 返還不要な「助成金」をフル活用してコストを抑える
    ハローワーク等の紹介により、就職が困難な障害者を一定期間試行雇用する「障害者トライアルコース」や「障害者短時間トライアルコース」が設けられています。適性を見極めながら円滑な雇用に繋げられるため、活用を強く推奨します。

【参考資料・リンク】
• 障害者雇用率制度の概要(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000859466.pdf
•納付金関係業務調査の結果_労働者の計上漏れに注意!
https://www.jeed.go.jp/disability/om5ru80000002u8f-att/q2k4vk00000515ly.pdf