【労働安全衛生情報】産業医の役割確認とストレスチェック義務化への備え

今月も、
2025年11月号のネクステップメルマガより、
注目記事をピックアップ!
産業医の選任が必要な会社は?
産業医の仕事とは?
従業員数50名未満の会社でも、
ストレスチェックが義務化されるってホント?
上記の内容を中心に、以下整理してます。
産業医の重要な役割と会社が果たすべき情報提供義務
従業員数50人以上の事業場で選任が義務付けられている産業医は、衛生委員会への参加や職場巡視に加え、従業員の健康管理に必要な権限を与えられています 。会社は、産業医がこの役割を適切に果たすため、以下の情報を含む必要な情報を提供する義務があります 。
会社が産業医に提供すべき情報
1. 時間外・休日労働時間が月80時間を超えた従業員の氏名および超えた時間に関する情報 。
◦ 該当者がいない場合でも、連絡の有無を明確にするため、その旨を伝えることが推奨されます 。
2. 健康診断、長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェックに基づく面接指導実施後の講じた措置または講じようとする措置 。
3. その他、産業医が健康管理等を適切に行うために必要と認める、従業員の業務に関する情報 。
また、会社は従業員に対し、産業医の具体的な業務内容や健康相談の申出方法を、A4サイズなどで掲示するなど、より詳細に周知する必要があります 。
令和10年を目途とする全事業場へのストレスチェック義務化
現在、従業員50人未満の事業場ではストレスチェックの実施は努力義務とされていますが、労働安全衛生法の改正により、今後は全ての事業場に実施が義務付けられることになります。この改正法は公布から3年以内に施行されることとされており、令和10年度までを目途に、50人未満の企業においても実施体制の構築が求められます。
義務化が拡大される中で、産業医の役割はさらに重要性を増します。ストレスチェック後の高ストレス者への面接指導(医師による実施)や、その結果を活用した職場環境の改善は、メンタルヘルス対策の要です。
今回の資料で確認した産業医への情報提供義務は、ストレスチェック後の面接指導や事後措置を円滑に進めるための土台となります。会社が産業医と密に連携し、適切な情報提供と周知を行うことが、来る義務化時代における従業員の健康確保に不可欠です。50人未満の事業場では、産業医の選任義務がないため、地域産業保健センターの活用などを通じて、面接指導体制を確保し、情報提供の仕組みを整えることが急務となります。

【経営参謀社労士より、ワンポイントまとめ】
会社は、産業医に対し、月80時間超の長時間労働者の情報や健康管理の措置内容を遅滞なく提供する義務があります。この情報提供は、ストレスチェック後の措置も含め、従業員の健康を守るための連携の第一歩です。
令和10年を目途とする全事業場への義務化に備え、特に50人未満の事業場においては、ストレスチェック後の面接指導体制の確保と、産業医(または面接指導を行う医師)への正確な情報提供の仕組みを、今のうちに見直しておきましょう。
(出典:厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案の概要」)
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001543076.pdf


