仕事中に腰痛発症!失敗しない労災認定基準の理解と対応ポイント!

「腰痛がひどいので仕事を休まないといけない」
「会社の業務が原因ではないか」

急にそのようなことを社員に言われてしまうと、経営者も、現場の管理職も
どのように受け答えしたらいいのか、わからなくなります。

2025年5月号のメールマガジン内から、大注目!
相談が多い以下の記事にフォーカスを当ててみました。
※会話形式で確認したければ、メールマガジンの記事もおススメ!


【労務管理情報】仕事で腰痛になったときの労災認定基準

ポイントをざっと3分で読めるようにしましたので、まず先にこちらをご覧いただければ幸いです。

今回は、「仕事で腰痛になった場合の労災認定基準」について、
法律的な視点と実務対応をわかりやすく整理しました。

1.腰痛も労災認定される?

はい、されます。

労働者災害補償保険法(労災法)では、仕事が原因で負傷・疾病を負った場合、
会社や労基署への申請により労災認定を受けることができます。

腰痛は、次の2種類に分類され、認定基準が異なります。

①災害性が明らかな場合(突発的な腰痛)
例)重い荷物を持ち上げた瞬間、ギックリ腰に

②災害性が明らかでない場合(慢性的な腰痛)
例)長年の運転業務や介護作業による蓄積疲労

厚生労働省の「腰痛に係る労災認定基準(平成13年12月12日 基発第106号)」では、
「業務起因性」と「業務遂行性」の有無を判断し、労災か否かが決まります。

2.【業種別】よくある腰痛リスクとお悩み例

運送業・倉庫業
→重い荷物の積み下ろし作業でギックリ腰

介護業・看護業
→利用者の移乗介助で慢性的な腰痛悪化

建設業
→長時間の中腰作業で椎間板ヘルニア発症

IT業・事務職
→長時間座りっぱなしによる腰への負担増

製造業
→反復作業中の不自然な姿勢による慢性腰痛

業種特性に応じた業務内容と発症状況が、労災認定のカギになります。

3.【実務対応】社員から腰痛相談を受けたときの流れ

社員から「仕事中に腰を痛めたかも…」と相談されたら、次の流れを意識しましょう。

(1)発生直後にヒアリング
 いつ、どの作業中に、どのように痛めたか
 症状(痛みの程度、動作制限など)
 目撃者の有無、作業内容の詳細記録

▶ ポイント:災害性が明確かどうかを判断します。

(2)病院受診と診断書の取得
 労災指定病院の受診推奨
 医師に「業務との関連」をしっかり伝える

▶ ポイント:「業務が原因」と診断書に記載されるかが重要です。

(3)労災申請書類の作成
 【様式5号】療養補償給付たる療養の給付請求書
 上司・会社の証明欄も漏れなく記載

▶ ポイント:会社側も「業務との関係」をきちんと説明します。

(4)労働基準監督署への提出
 記載内容に矛盾がないか事前確認
 必要に応じて証拠資料
 (作業記録・目撃者証言)添付

4.まとめ:腰痛は「見えないケガ」、丁寧な対応を

腰痛は、外傷のように「目に見えるケガ」ではありません。
そのため、発生時の具体的な状況記録と、業務との関連性の裏付けが不可欠です。
また、慢性腰痛型の場合でも、一定の基準(重量物取り扱い頻度・作業姿勢など)を満たせば労災認定されます。
曖昧なまま放置すると、社員の不信感やトラブルに発展することも…。

労災申請は会社のイメージを守るためにも、
「初動対応の早さ」と「記録の正確さ」を大切にしましょう!

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社会保険労務士法人ネクステップ

この記事を書いた人

山崎 裕樹

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