生産性向上のための業務改善プロセス

6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2024 
~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~」(骨太方針2024)に関する勉強会に参加してまいりました。

大きなテーマとして、日本の経済成長を支えるため、「賃上げ」が重要なテーマとして掲げられており、政府は、企業が持続的に成長し、より高い賃金を支払えるような環境を整えることを目指しています。

2024年の最低賃金は各都道府県50円以上アップが確実、2030年半ばまでに1,500円になることが目標とされています。最低賃金を引き上げることで、低所得者層の生活を安定させ、全体的な消費の拡大を図り、経済全体を成長させることが狙いです。

従業員の給与をアップさせるための昇給原資を増やすためには、生産性向上に向けた改善が不可欠です。

そこで、生産性向上のための業務改善プロセスを5段階に表してみました。

生産性向上のための業務改善プロセス

 1. 現状分析と課題の特定

まず、現在の業務の流れを整理し、見える化していきます。
業務フロー図を作成し、無駄が発生している業務や重複する業務、非効率な作業を洗い出します。
この段階で、従業員からのフィードバックを得ることも重要です。

 2. 目標設定と改善計画の策定

次に、改善すべき具体的な目標を設定します。
例えば、業務時間の短縮、ミスの減少、顧客満足度の向上などが考えられます。
これらの目標を達成するための改善計画を策定し、実行の優先順位を決めます。
計画は実現可能な範囲で細かく設定し、経営資源やスケジュールを明確にします。

3. プロセスの再設計とツールの導入

プロセスの再設計とツールの導入
設定した目標に基づいた業務プロセスを再設計します。
必要に応じて、デジタルツールや自動化ソフトウェアの導入を検討し、業務の効率化を図ります。
例えば、タスク管理ツールの導入や、ペーパーレス化による書類管理の改善が考えられます。
従業員の役割や責任も再定義し、プロセスのシンプル化を目指します。

4. トレーニングと導入支援

新しいプロセスやツールの導入に伴い、従業員に対するトレーニングを実施します。
新しい方法やツールの使い方を理解してもらい、スムーズな移行をサポートします。
また、導入後のサポート体制も整え、従業員が困ったときにすぐに対応できるようにします。

5. 評価と継続的改善

改善策を実行した後、定期的に評価を行い、目標が達成されているかどうかを確認します。
必要に応じてプロセスを調整し、さらなる改善を行います。
このサイクルを継続することで、業務プロセスの最適化が図られ、長期的な生産性向上が実現します。


上記の5つの整理ができていると、人事制度を構築し、運用していくときに、従業員に明確な役割が伝わり、目標が立てやすく、成長の実感が感じられ、効果が出やすくなります。

これからは賃上げができる生産性の高い企業に人が集まり、人が集まることによって、さらに生産性が高まり、企業が成長発展していくでしょう。

企業と共に成長して行く人を活かすために、働く環境を整えていくことも重要です。

この記事を書いた人

菊池麻由子

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