副業・兼業の運用ポイントと注意点

1. 副業・兼業のメリット

副業・兼業を認めることは、労働者だけでなく企業にも多くの利点があります。

  • 送り出し企業のメリット
    労働者が外部で得た知識やスキルを会社に還元できる可能性が高まります。また、自律性や主体性が促進され、優秀な人材の流出を防ぐ手段にもなります。
  • 受け入れ企業のメリット
    必要な専門性を持つ即戦力人材を柔軟に活用でき、社内スキルの底上げや組織の活性化が期待できます。

2. 法的リスクと課題

副業・兼業を認める際には、法的な問題にも注意が必要です。以下のポイントに留意する必要があります

  • 労働時間の通算
    特に、副業・兼業先での契約形態が「雇用」である場合には、労働基準法が適用となり、副業先での労働時間も通算される場合があります。これにより、時間外労働の割増賃金や法定労働時間の遵守に影響が及ぶ可能性があります。
  • 職務専念義務と秘密保持義務
    従業員が複数の職場で勤務する場合、企業秘密の漏洩や競業行為のリスクが生じる可能性があります。これらのリスクに対処するため、適切な就業規則の整備が必要です。

3. 実務的な対策

中小企業が副業・兼業を円滑に導入するためには、以下の対応が求められます

  1. 就業規則の整備
    副業・兼業の許可基準や制限事項を明確に規定し、秘密保持や競業避止義務に関する条項を盛り込みましょう。
  2. 労働時間の管理
    従業員の申告を基に、副業先での労働時間を把握し、必要に応じて健康管理を行うことが重要です。
  3. 情報管理の強化
    秘密情報の取り扱いに関する教育を行い、情報漏洩を防ぐ体制を整備しましょう。

4. 運用のポイント

  • 従業員とのコミュニケーション
    副業・兼業を認める場合、その目的や条件を従業員と共有し、相互の理解を深めることが大切です。
  • 柔軟な対応
    一律禁止ではなく、個別のケースに応じて柔軟に許可・制限を判断することで、企業と従業員双方にとって最適な運用を目指しましょう。

まとめ

副業・兼業の導入は、労働環境の柔軟化や企業の競争力向上につながる可能性を秘めています。企業として、適切な管理体制を整えることで、そのメリットを最大限に活用しましょう。具体的な対応についてご不明点がございましたら、ぜひご相談ください。

自社の就業規則が気になったら「就業規則チェッカー」をご活用ください。

この記事を書いた人

菊池麻由子

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2024/12/27

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